ゲイって本当に治らないの?

HOW TO for GAY

ゲイとして生きるより、
ストレートとして生きた方がいいじゃん。
だって結婚もできるし家庭も持てるし。

ゲイって治らないの?

そもそもゲイである僕自身も、
昔はこう思っていました。

「ゲイってマジで治んないのかなぁ」
「生きてて絶対ハンデがデカいよ、ゲイって」

それに、
親に孫の顔を見せてあげることだってできるんだし。

確かにゲイとして生きるのって、よくある人生じゃないからいろいろ大変。

だったら、
そもそもゲイは治るのか?
治るものなのか?

上野正卯(うえの・しょうぼう)


1979年・千葉県生まれ・ゲイ。
現在、付き合って7年になる彼氏と同棲中。
大学卒業後は教育業界で18年。
ゲイとして悩んだり工夫したりしたことが、
多方面で大きく活用できることを実感しています。

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ゲイを治そうとしたアメリカの少年の実話

以前にもこの映画を紹介したことがあるんだけど、
ゲイを治そうとして、同性愛者更生施設に入った少年の話なんだ。

これから僕がここで話そうとしていることが、
すべて映画の中で語られてる。
とても参考になる映画なんだ。
人によっては、
もしかしたら見ていてツラくなるシーンもあるかもしれないけど、
最後はちゃんと後味良く終わるから、安心して見てねw

「ゲイは治らない」っていう話じゃない。―同性愛は病気じゃない。障害でもない。異常じゃない。

治ってほしいと思っている人には、
とてもツラい結論だとは思うんだけど、
ゲイは、治らない。

というか、
治るとか治らないとかいう話じゃないんだ

新型コロナでもおなじみのWHO(世界保健機関)がね、
「同性愛は病気じゃありません。だから治療ってこともありません」
って言ってるんだ。

日本の厚生省も1994年に、そして1995年には日本精神神経学会っていうところも、
「WHOさんの言う通りです。同性愛は治療するものではありません」
って言ってる。

そして日本の文部科学省も1994年に、
同性愛を「性非行」から外したんだよ。

世界がそういう動きになるまで、
同性愛は「異常な性癖」とか「精神障害」とか「病気」とか言われてきたけど、
医学的には異常なことではないんだ。

つまり、
医学も、WHOも、
「科学的に同性愛は異常じゃありません」
って言ってるんだ。

これって結構すごくない?

なぜ治らないの?―性的興味は変えられないから。

そもそも同性愛は、
治らないもんなんだ。

好きになる人って、コントロールできる?
自由に恋に落ちたり、好きな人を簡単に忘れられるなら、
人は恋で悩むことなんてない。

もっともっとすごーーくぶっちゃけた話をすると、
男性の場合、性的に興奮すると体の一部が変化するよね。

キミは、何を見て興奮する?
それって、コントロールできる?

例えば、
どうにか頑張って、「マンション」を見て興奮するようになれるかな?w
「これを見て興奮するように自分を変えるぞー!」
って、・・・無理だよねw

逆に、
めちゃめちゃどドタイプの人の性的な場面をマトモに見て、
反応するなって言う方が無理だよね。

女性の足を見たい人、
胸を見たい人、
細い人が好きな人、
ポッチャリした人が好きな人、
多少の動きはあるかもしれないけど、
それって自分で好きになろうとしてなったわけじゃない。

「好き」は、その人に備わっているもんだ。

本当に好きなものに出会った時って、
「これだぁーー!!!」
ってなるもんね。

この辺の話については、こちらの記事で詳しく書いてあるから読んでみてね。

だから、
好みというか、特に性的な興味っていうのは、
努力して変えられるものじゃない。

でも治したいんだけど。―自分が変われないなら社会が変わるしかない。

そうそう。
そうなんだよ。

「そんなこと言ったって、僕、ゲイなんて嫌だ。普通になりたい」

って思うよね。

でもね。

よくよく考えてみてほしい。
なんでゲイを治したいのかな。

それは、
「ゲイとして生きていく人生に明るい未来が見えそうにないから」
だよね。

それってさ、
原因はキミじゃなくて、社会じゃない?

キミの中にある「同性愛」っていう要素を、
社会が認めないから苦しいんだ。

だから、
自分の中にある「ゲイ」を、
変えようとしたり、
自分でなかなか認められなかったりするんだよね。

でもそうなると、
逆に、うつになってしまったり、自殺してしまったりする人も出てくるんだ。
つまり「ゲイを治すこと」っていうのは「自分を壊すこと」になる。

「だからといって、社会を変えるのは大変だよ」
そう。その通り。
だけど性指向は変えられないんだ。医学的に。

だから、社会が変わるしかないんだよ。

だからゲイの結婚が認められないのなんて、
本当に本当に低レベルの次元で、アホなことなんだ。
そんなのは、さっさと認められるべきで、
僕らゲイがこんなところで苦しんでいるのは、
まったくもって不当な差別でしかないんだ。

まとめ

同性愛は医学的・科学的に病気じゃない。異常じゃない。
一定数で起こること。だから治す・治さないの話ではない。

性的興味は、自分の意志で変えられるものではない。

ゲイを治したいのは、社会で認められないから。
ゲイを変えられないなら、社会の方が変わるしかない。

コメント

  1. ☆☆☆ より:

    私はゲイではありませんが、本気で同性婚が認められる事を望んでいます。ただでさえ少子高齢化が進んでいる日本で、優秀な人材はどんどん海外に行っています。スウェーデンで同性婚をして、子供も育てている「ふたりパパ」というYouTuberをご存知ですか?2人とも聡明で心がある方です。こんな方が日本にいてくれたら社会が明るくなっただろうなと思いますが。まあ今の日本では無理ですよね。同性婚はおろか、同性カップルで代理母出産するなんて無理ゲーだと思います。夫婦別姓だなんだでこれだけ揉める国ですから。私のゲイの友人は台湾等のLGBTQフレンドリーな海外に出ていますね。

    • 上野正卯 より:

      そうですねー。新しいことや前例のないことを行うのは難しいって分かってはいるんですけど、
      とくに日本はその点が難しい国だなとは思います。
      気持ちは分からなくはないんですけどね。
      でも若い世代を中心に、その意識は変わってきています。
      そしてそれを変えたのは「教育」です。

      教育を受けるのは子どもの世代だけだという意識がありますが、
      大人になっても教育を受けることができる制度を望みます。
      例えば改正された法律とその運用方法を伝えたり、
      道路交通法や、著作権について、児童ポルノの在り方など、
      時代とともに変わっていく考え方や法律ってありますよね。
      地域の防災情報の更新や、生活保護、税についてなど、
      大人になってから知るべきことってたくさんあると思います。
      その中で、LGBTQや高齢者の免許返納についての教育も、有効だと思うんですね。

      学校・社会、学校・社会、学校・社会、という仕組みを、
      20年に1回くらい、全国民が実施できたらステキだなと思います。
      40歳と60歳と80歳で、それぞれ1年間だけ義務教育。
      知識と考え方をアップデートして、最新の技術を学べたり。

      あああー、こういうこと考えるの、楽しい( *´艸`)