普通の夫婦とゲイカップルは税金の控除だけでもこんなに違う

知識

結婚すると具体的に何がどういいの?
「気持ちの面で」って話じゃなくてね、
とくに「税金の控除」っていうポイントでお話します。

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控除って何なん?

これはそもそも論ね。

「控除」っていうのは、
あなたが納めた税金あるじゃん?
国がね、
「あなたからいっぱい税金もらったけどさ、
いろいろ大変そうだから、そんなに納めなくてもいいよ」
って言ってくれることをいうんです。

控除されたお金って、
税金を払う前に差し引かれる場合もあるし、
税金を払ってしまった後で、取り戻すこともできるんです(申告の期限あり)。

詳しいルールや金額設定などは専門のページで見てもらえればと思いますが、
このページでは「こういうのがあるんだ」っていうくらいの分かりやすい説明にとどめておきますね。

結婚していない男女のカップルの場合

そりゃ結婚していないんだから、
それぞれの収入はそれぞれで計算して、納税するわけですね。
お互い仕事に没頭したいカップルとか、事実婚のカップルとかだと、こういう状態です。
男性は男性、女性は女性、それぞれで経済的自立ができています。

これは、多くのゲイカップルも同じ状況だと思います。

それぞれが働いて、それぞれがそれぞれの収入に合った納税をしています。
国としては、
「それぞれ収入がちゃんとあるんだから、ふたりともちゃんと税金払ってくださいねー」
みたいな感じなんでしょうね。

男女の結婚では「配偶者控除」「配偶者特別控除」がある

結婚して、奥さんが主婦になったら、奥さんの収入が減るじゃないですか。
まぁそういう家族形態がいつの時代だよ!?って突っ込みも分かるけど(笑)、
そこはさておき。
とにかく、夫は妻の分まで働いて支えなきゃいけないわけですよ。
そうすると、国が「がんばって奥さんを支えてあげてくださいね!」ってことで、
「配偶者控除」っていうのをしてくれるんです。

家事は妻に任せたとして(何度も言うけどこれもいつの時代だよw)、
夫は自分の稼ぎだけで妻を支えてあげなきゃいけないわけですから、
「大変」なんです。
だから控除を受けられるわけですねー。

 

で、それとは別に「配偶者特別控除」ってのがあるんです。
なんか「特別」って付いてると、めちゃくちゃ控除してもらえんのー?って思うかもですが、

それは違います(笑)。

奥さんの収入が、結婚前よりは減ったけど、
「配偶者控除」の時よりは、・・・まぁまぁ稼いでる、と。
そしたら国としてはね、夫に対してこんな気持ちになるわけですよ。
「奥さんを支えなきゃいけないのは分かるけど、奥さんも稼いでるやーん。
それだったらそんなに控除してあげなくてもいいんちゃうん?」
って(笑)。
別にこんな関西のノリかどうかは分かりませんが(笑)、
「それだったら、ちょこーっとだけ控除してあげるわ、特別に☆」
・・・これが「配偶者特別控除」です。

 

ところがですよ。

ゲイの場合、結婚できないんで、
そもそもこの配偶者控除系のやつが受けられないんですね。

「いやでも男が二人だったら、二人ガッツリ働けばめちゃくちゃリッチやーん!」

って思うでしょ。
普段の食費とかなら別にいいかもだけど、
マンションとかを買うとなると話は違うんです。
それはね、二人の財産が共有できたらの話なんですよ。

ま、それはまた次の機会に詳しく☆

こんな風に、右側の男性が家事に徹する場合、
実際には世帯収入が大きく減るわけなんだけど、
「結婚」じゃないからね。「配偶者控除」の類は一切ないです。

「養子縁組」という手段で解決できる面もあるけど、
それにはデメリットもたくさんあります。
それについては別記事で詳しく説明しますね。

それもそうだけど、
パートナーに万が一のことがあった時、
これが酷いんです。

医療費控除について

まず男女の夫婦の場合です。
例えば妻が病気で入院してしまった時、
夫婦は気持ちだけではなく、経済的にも助け合うことができます。

医療費控除について、ちょっと詳しくお話しますね。

病気で入院している妻がいて、
妻のパート収入もほとんどない、と。
そこで夫がガッツリ働いていて、税金もガッツリ払っている場合、
国が「奥さんが病気で大変だから、一部、税金免除してあげるよ!」って言ってくれるわけです。
実際には、1年間でね、家族内で合計10万円以上も医療費がかかったら、
そのレシート(5年間保存)を証拠に、明細書を作って(これがめんどい)、
税務署に提出すればいいわけです。
そしたら、まぁ金額は期待したほどじゃないかもしれないけど、お金が返ってくるんですね。
(っていうか、夫がそもそも税金を納めていなかったら控除もないからね)
妻は妻で収入が減るから税金もそこまで納めなくて済むし、
夫も帰ってきたお金を、少しでも医療費の足しにできるし、
夫婦で協力して乗り越えやすいってわけです。

ところがね。
ゲイとなるとこれが全然違うの。

この絵を見てもらえば分かると思います。
けがや病気で入院しても、
収入が減った分、税金は減るけど、そもそも病院でお金がかかるのに収入減ってるからね。
入院した本人が納めた税金内で、医療費控除の還付金を受け取ることはできるけど、
何度も言うけど収入が減ってるから、納税額も減ってるし、返ってくる金額も小さいんだから。
じゃあかかった医療費の分を、相方がカバーできるかって言ったら、夫婦じゃないからできないし。
基本は見守るだけですよ。

だから、結婚してなんだから、
結局は独身男性が二人いるのと変わらないんです。

目の前で苦しんでいる相方がいて、
それで自分が何もできない、ってさ、
もうやるせなくてやるせなくて、想像しただけでしんどいですよ。

【結論1】とにかくお金を貯める・稼ぐ

もうこれしかないです。
頼れるものは自分たちだけ。
まぁ、今までゲイだってことで悩んだり苦しんだりしてきて、
結局は自分自身で何とかするしかなかったわけじゃん。
大人になっても、それが一生続くってことなんですね。

だから二人で同棲して、節約できるところは節約して、
それぞれがそれぞれで貯金していくしかないです。
そしてある程度資金が溜まったら資産運用などでちょっとずつでも増やしたりして、
働けなくなった後のことも考えていかなきゃいけません。

そして、副業をするのもいいと思います。
さまざまな理由で副業ができない人もいると思いますが、
国も人生100年時代として副業を推進しているわけだし、
積極的にそういうことを調べてどんどん動くべきですね。

【結論2】味方を増やす

なにかあった時に助け合える仲間を作っておくことです。
それはゲイの仲間でもいいし、家族でもいいと思います。
ゲイって家族となかなか打ち解けられなくて、一人暮らしをしている人が多いように思います。
自分が同性愛者で、こういう境遇だということをしっかり家族に伝えて、
親や兄弟などの理解を得られるようにしておくというのも、大切な人生プランのひとつだと思います。

実際、僕も両親にこういう話をしています。相方がいることも含めてね。
そのためには、まずは自分がしっかりしなきゃいけないし、
「この人のためなら」って思ってもらえるような人にならなきゃなーとも思います。
そしてそういう損得で人付き合いをするんじゃなくて、
逆に誰かが困っていたら積極的に手を差し伸べられるような人でもありたいなと思います。

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