ノンケの意味とは?「君ってノンケ?」と聞かれたら?その意味は?(ゲイじゃない人向け)

異性愛者・非同性愛者・ノンケ・ストレート・ヘテロの方へ

※この記事は、ゲイではない人向けに作成しています。

ノンケ」ってどういう意味?

「君ってノンケなの?」って聞かれたんだけど、

どういう意味?

もし僕が「ノンケ」だったらどうなるの?

逆に「ノンケ」じゃなかったら?

あいつはなんでそんなことを聞いたんだろう?

この「ノンケ」って言葉、
ゲイはとてもよく使います。

僕の周りのゲイも、
僕の彼氏も、
ゲイのSNSでも、
みんなよく使います。

ゲイの業界用語って言ってもいいかもしれません。

実はこの「ノンケ」という言葉、
僕らゲイにとって、
とても大きな意味があるんです。

また、場合によってはいろんな意味を持つこともあります。

この記事では、

①そもそも「ノンケ」とはどういう意味なのか
②「君ってノンケなの?」と聞かれたらどうすればいいのか
③「君ってノンケなの?」と聞かれる意味

について、
「ゲイ歴=年齢」の僕が紹介していきます。

ただ、一言で「ゲイ」や「ノンケ」と言っても、
その境界線ははっきりしなくて、
人それぞれ。

なので、ここではわかりやすく説明するために、
大雑把に書きますね。

※この話の最後に、
ゲイの僕から1つだけ「やめてほしいこと」を付け加えておきます。
もし時間があったらでいいので、読んでいただけると嬉しいです。

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Q.そもそも「ノンケ」とはどういう意味?

辞書的な意味では「ノンケ」ってどういう意味なんでしょうか?

A.異性が好きな人のこと。LGBTQなどの性的マイノリティじゃない人のこと。ストレート。異性愛者。

ノンケ」とは、ゲイではないストレートの人のことです。

女性のことが好きな、男性。
男性のことが好きな、女性。

・・・のことです。

他の言い方だと、異性愛者とか、ヘテロセクシャルなんて言われます。
だから世の中のほとんどの人がノンケってことですねw

語源としては、
ソッチ(ゲイ)の気がない → non気 → ノンケ
っていう説が有力です。

使用例

それではいくつか具体的な使用例をご紹介しましょう。

以下の3つの例は、すべてゲイ同士の会話によるものです。
僕も実際こんなこと話しますw

この具体例からもわかるように、
僕らゲイは、
気になる男性ゲイなのかノンケなのかということが、
よく気になります。

だって、ゲイなのかノンケなのかで、
恋愛対象になるのか、ならないのか、決まるんですからね。
見た目は同じ男なのに。

Q.「君ってノンケなの?」と聞かれたらどうすればいいのか

相手がゲイであろうとノンケであろうと、
こう答えるのがベストです。

A.「うん、ノンケだよ。ゲイではないかな」とサッと答える

あなたがゲイじゃなければ、
シンプルに「うん、ノンケだよ。ゲイじゃないね」とサッと否定すればOK。

話はこれで終わりです。

そこから何か聞き返すとか、話を掘り下げなくていいです。

ここから話を掘り下げると、事故が起きる可能性があります。
掘り下げる必要があるなら、相手が掘り下げてくれるはずですから、
あなたは何もしなくていいです。

Q.そもそもなぜ「君ってノンケなの?」と聞くの?

それでは、相手はなぜあなたにこんなことを質問したのでしょうか。
これには、大きく分けて2つのパターンがあります。

A.<パターン1>あなたがゲイなのかノンケなのか、見極めたがっている

このパターンは要注意です。

相手は、何らかの理由で、
あなたがゲイなのかノンケなのかを知りたがっています。

ただし、ここで注意しなければならないのが、
相手ノンケなのかゲイなのかによって、
意味が全く違ってくるということです。

(答え方は変わらないのでご安心を。)

A.質問してきた相手がノンケだったら「お前のことゲイだと思っていたんだけど、本当はノンケなの?」という意味になる

「お前ってノンケなの?」
っていう聞き方は、
俺はずっと、お前がゲイだと思ってたんだけど、実はノンケなの?」
という意味になるので、
俺はずっとお前がゲイだと思ってた」っていう前提があります。

今までずっとゲイだと思ってたのに、実はノンケ!?
っていう意味だから、
「お前ってノンケなの?」って聞いてるんです。

逆に、
今までずっとノンケだと思ってたのに、実はゲイだったの?
っていう場合だったら、
「お前ってゲイなの?」って聞くはずですよね。

つまりあなたはゲイだと思われていた可能性があります。

でも答え方至ってシンプル。

あなたがゲイではないのなら、
やっぱり「違うよ、僕はノンケだね」って言えばいいんです。

A.質問してきた相手がゲイだったら「せっかく同じゲイだと思ってたのに、ノンケだったのか・・・悲」という意味になる

次は相手がゲイだったらの場合です。
基本的にあなたがゲイだと思われていたことに変わりはありません。

「僕と同じゲイだと思ってたのに、違うのかぁ・・・残念」って気持ちになります。
まぁ、僕なら軽く傷つきますねw

ゲイは、普通に生活しているだけじゃ、
自分と同じゲイの人と出会うことって、まずないんです。

<別記事:ゲイはゲイに出会えないシステムになっている>近日公開

もし自分と同じゲイと出会えたら、それはめちゃくちゃ貴重な機会です。

それなのにゲイじゃないと分かってしまった・・・。

「なんだ・・・、同じ仲間(ゲイ)だと思ってたのに、違うのか・・・(T_T)」

という感じです。

A.<パターン2>覚えたての「ノンケ」っていう言葉を使いたいだけ

これはふざけて聞いてきただけです。

テレビやネットで「ノンケ」って言葉を覚えたから、
おもしろがって使ってるだけです。

僕が経験した中では、このケースがほとんどでした。

ハッキリ言って深い意味はないので、
リアクションはどうでもいいです笑。

シンプルに「ノンケってなに?」と聞き返してもいいし、
「ノンケに決まってるじゃなぁ~い♡」とオネエ調で返してもいいし笑、
普通に「うん、ノンケだね」と答えてもいいです。
ご自分のキャラ相手との関係に合わせて、
好きにリアクションしてあげてくださいw。

こんなことを聞き返されたら?

「あれ?お前『ノンケ』って言葉の意味知ってんの?」

まるで知っているとマズイかのような不穏な空気。
でも大丈夫です。
そんな時は堂々とこう答えてあげましょう。

「うん。ゲイじゃない人のことでしょ」

これでOK。まったく問題ありません。
「ノンケ」の意味なんて、
Twitter見てれば流れてくるし、ググればこうしてすぐ出てきます。
今の時代、「ノンケ」の意味を知ってても何も怪しくありません。ご心配なく。

※ちなみに僕のノンケ友達は「タチ」「ウケ」「ハッテンバ」の意味も知っていましたw

「お前「ノンケ」の意味知ってるって詳しすぎない?ゲイなんじゃね?w」

これもご心配なく。
こんなのは秒で返します。

「何で知ってるのかなんていちいち覚えてないよ。
 ってかお前だって知ってるじゃん

これで終了ですw

まとめ

「ノンケ」とは

ゲイじゃないストレート(異性愛)の人のこと

「お前ってノンケなの?」と聞かれたら

「うん、ノンケだよ。ゲイじゃないね」と軽く答え、それ以上は聞き返さない

ゲイの僕から1つだけ「やめてほしいこと」

ここまで読んでくれてありがとうございます。
最後に1つだけ、やめてほしいことを伝えておきますね。

上野正卯のコラム
「どうしてそんなこと聞くの?」と聞き返さないでほしい

例えば、あるゲイが、あなたのことを好きで、
あなたがゲイだったらいいなと思っていたとします。

「この人(あなた)は、もしかしたらゲイかもしれない」
「いや、きっとゲイだ。ゲイであってほしい!」

ところが、あなたがゲイじゃないことを知ってしまいます。
性格もよくて、かっこよくて、優しくて、笑顔が素敵で・・・
でも、、、ゲイじゃないのか・・・。

望みを絶たれたそのゲイは、あなたに勇気を振り絞って、ストレートに、

「君はノンケなの?」

と聞いたとします。
そこであなたは、

「うん、ノンケだよ。僕はゲイじゃない」

と普通に真実を答えます。
ゲイの相手からしたら、望みを打ち砕かれた瞬間です。

もっと言うと失恋した瞬間です。

大きなショックと、今まで思い続けてきた気持ちがすべて打ち砕かれるわけです。

でもね、
失恋っていうものは、
ゲイだろうがノンケだろうが関係ありません。
多くの人が経験することです。
ツラいけど、乗り越えなきゃいけない痛みです。

しかし次の瞬間、
あなたの口から思いがけない質問が飛んできます。

「どうしてそんなこと聞くの?w」

これを聞かれたら、
たった今、失恋したショック全力で横に置いて、
ゲイだということがバレないように、「防御態勢」に入らなきゃいけない。

一番好きだった人から、一番聞かれたくないことを聞かれる。
しかもその瞬間も、
ゲイだということがバレないように、
全力で満面の笑顔を作らなきゃいけないんです。

心で泣きながら、ね。

頭をフル回転させて、不自然にならないようなウソを探します。

「いやぁ、なんかお前ってホモっぽいところあるからさwちょっと聞いてみただけだよw」

と、悲しみのどん底なのに満面の笑みを浮かべて
嘘をつかなきゃいけない。

これは本当に苦しい。

苦しみってさ、
誰かと共有したり、分かってもらうことで、
まったく消えてしまうことはなくても、少しは軽減されるんじゃないかな。
飲みに行ってグチを聞いたりするのも、それですよね。

だけど、ゲイを隠して生きていると、
それが許されない。
たった今、大きな失恋をした瞬間でさえも、
常に戦闘態勢にいないといけないんです。
24時間、365日、気を張ったまま。

「じゃあ隠さなきゃいいじゃん」

という意見もいただくんですけど、
「ホモはキモイ」とか「生産性がない」とか「生きている意味がない」って言われるのを見ると、

「これは絶対に誰にも言えない・・・」
「言ったらああやってバカにされる・・・晒される・・・」
「みんな口では『差別とかないよ』って言うけど本心は・・・」

って思っちゃうんだよなぁ。

だからゲイを公表する、つまり周囲にカミングアウトしているゲイって、
まだまだ圧倒的に少数です。
テレビに出ているゲイやオネエの皆さんは、
もう勇者の中の勇者ですよ。
テレビで公にカミングアウトしちゃってるんだもん。
あの勇者と同じようにやれって言われても、大半の人は無理です・・・。

社会的に差別的な発言は減ってきて嬉しいとは思うけど、
ごく一部過激な発言をする人たちって、
本当に何をするか分からないので(実際にゲイを標的にした殺傷事件も発生している)、
僕もまだまだ顔を出してまで公表するのは抵抗があるなぁ。

「逆にゲイの人たちってどうしてほしいの?」
とも聞かれるんだけど、
ゲイに対する差別的な発言を、世の中から完全になくすことは不可能だろうし・・・。

例えば僕は学習塾で働いていたんだけど、
絶対にカミングアウトなんてできませんね。
生徒が学校で「お前、あのホモ先生のところで習ってんだろーw」って言われたらとか考えちゃう。
僕だけが傷つくならまだしも、僕の生徒が傷つくのは、
辛すぎるよ・・・

この問題はどうすればいいでしょうね。
僕も分かりません。

少数派を否定したり攻撃したりするような考え方を、
世の中から完全になくすことができなくても、
今後、もっと減っていってほしいかなとは思います。

そういう意味では、これからの多様的な価値観を認め合える社会っていうのは、
LGBTに限らず、様々なマイノリティで悩んでいる人たちや、
自己肯定感が低い日本の子どもたちにとって、
大きなムーブメントとなって、日本全体がじんわり盛り上がってくれたら嬉しいかな。

上野正卯(うえの・しょうぼう)

1979年・千葉県生まれ。ゲイ。
現在付き合って7年になる彼氏と同棲中。
大学卒業後、教育に携わって18年。
ゲイとして悩んだり工夫したりしたことが、
多方面で大きく活用できることを実感しています。

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